星野 ダイチ
ラズベリーパイを私物として持ち込んだ男。 本人は「貸し借りを整理しているだけ」と主張するが、 その整理は台帳になり、台帳は残高になり、 残高はいつの間にか宇宙銀行になった。
宇宙銀行の話へTHE CREW
Spaceman.co.jp の登場人物たちは、宇宙の専門家である前に、 とても人間くさい人たちです。仕事はできる。判断も早い。 でも、寂しがりで、見栄っ張りで、秘密を抱え、 ときどき自分でも説明できない行動をします。
宇宙は彼らを変えるのではありません。 宇宙は、彼らがもともと持っていたものを、静かに浮かび上がらせます。
MAIN THREE
ダイチは、どこに行っても仕組みを作ってしまう男です。 学校では係表を作り、会社では共有フォルダを整理し、 宇宙ではスナックの貸し借りを記録しました。
問題は、彼の仕組みがいつも少し大きくなりすぎることです。 オービット・ハウスでは、彼の台帳が乗員全員の信用情報になり、 最後には地球側の法律部門まで巻き込みます。
「銀行を作った覚えはありません」
「ただ、預金者がいます」
レイは、静かに強い人です。 訓練では常に上位。危機対応では誰よりも正確。 乗員の中で一番頼りになるのに、自分のことを話すのは苦手です。
彼女の物語は、笑いの中にある大切な芯です。 周囲が書類や規則に慌てるなか、レイは淡々と故障を直し、 静かに自分の人生を取り戻していきます。
「地球では言えなかったけど、宇宙なら言えると思ったの」
ミノルは、明るくて、まじめで、少し寂しがりです。 一人勤務の日が長引き、通信も遅れ、誰も返事をしない時間が続いたとき、 彼はステーション内の物に人格を与え始めました。
最初に生まれたのはレンチ隊長。 次に枕司令官。醤油博士。右手袋のササキさん。 地球側は心配しますが、彼らの会議はなぜか非常に実務的です。
「本日の議題は、孤独対策と未返却テープ問題です」
SUPPORTING CAST
地球側の常識担当。宇宙飛行士たちの報告を受けるたびに、 既存のマニュアルでは対応できない現実に直面する。
ただの収納箱。誰かが「ATM」と紙を貼ってから、 ステーション金融システムの象徴になってしまった。
ミノルの想像上の友人。規律に厳しく、 工具管理については地球側よりも信頼されている。
ミノルの心を支える柔らかい上官。 声は低く、判断は穏やかで、会議のまとめがうまい。
小さな醤油ボトルに宿った、という設定の哲学者。 深いことを言うが、だいたい食事前にしか登場しない。
コンプライアンス担当。すべてに反対するが、 最後には一番まともな提案を出すことが多い。
RELATION MAP
ダイチは仕組みを作り、レイは現実を直し、 ミノルは想像力で孤独を乗り越える。 黒川管制官は、そのすべてを地球から見て頭を抱える。
それぞれの弱点が、誰かの笑いになり、 誰かの救いにもなっていく。
ダイチが制度を作りすぎるたびに、レイが現実的に止める。 でも本当に困ったとき、彼の台帳が役に立つ。
レイはミノルの想像上の友人を笑わない。 人が自分を守る方法は、それぞれ違うと知っているから。
ミノルの架空会議とダイチの宇宙銀行は、 どちらも最初は冗談だった。今は誰も冗談と言えない。
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